帰りに こそっと有漢川に捨ててきた。 やはり、たちどころにばれた。多分民子ちゃんの"密告"に違いない。 告げ口している顔まで浮かぶ。 親父のまさに"鉄拳"、特大の拳骨を、頭のてっぺんに痛烈にくらった。

岡山の巨瀬（こせ）の塩坪の米屋の千太郎ちゃんでしょ？』 『ブログの検索でキーワードを（有漢川）（高梁）（巨瀬小学校）とか 自分の田舎の名前を入れて探してたら お袋さまのブログの記事にヒットしたんですよ』 『親父が沼津で仕事をする

兄貴が夜仕掛けた籠網を、有漢川に朝引き上げに行くと大きな鰻が入っていて、 見よう見まねで包丁をいれ、蒲焼にして食ったこともある。 節句には、その風呂の湯の中に菖蒲を結わえた束がぶち込んであって その日は一番風呂に入れてもらえた。

もちろん目の前は有漢川のせせらぎである。 ヒマラヤスギが狭い空に向かって飛び込むように何本か聳え立っていた。 石垣が組まれた、日清日露戦争や大東亜戦争の忠魂碑を左に見て正門があり 階段を上りきると二宮金次郎像と国旗掲揚台があった。

大河せせらぎ小説 『高梁川』 第一章 花火 （ 第１話 ） 有漢川 わたし、たまにおいら、は岡山縣上房郡巨瀬村という高梁川の支流のやまあいの集落に 産まれた。 その分岐した支流を有漢川といった。 この川にはたいそうお世話になった。